英3月消費者物価指数(CPI)
2月のCPI前年比では4.4%と2008年10月以来、約2年半ぶりの高水準となった。イングランド銀行(BOE)では、インフレ率目標を2%に設定しており、現在の2倍以上のインフレ率がBOEでの利上げ観測を強めている。
政策金利に影響を与えるため3月CPIの注目度は高い。

  • 3月CPI前月比=予想0.6%、前回0.7%
  • 3月CPI前年比=予想4.4%、前回4.4%
  • 3月CPIコア前年比=予想3.3%、前回3.4%

独4月ZEW景況感調査
3月のZEW景況感調査では、14.1と5カ月ぶりの悪化となった。
欧州中央銀行(ECB)の利上げ観測や日本の大地震を受けた株安が原因である。ECBは利上げを実行したが、ドイツ経済は堅調であることから、底堅さを見せている。4月の独ZEW景況感予想では11.3の見込みである。

米2月貿易収支
前回(1月)の貿易収支では463億ドルの赤字で、7カ月ぶりの高水準となった。
今回も引き続き原油価格の上昇に伴い、エネルギーの輸入増が貿易赤字の主因になるが、米国の需要回復によるその他の輸入も増加している。
一方で米製品に対する中国など高成長国の需要増を背景に輸出も増加する見込みである。2月の米貿易収支は1月から赤字幅を縮小し440億ドルの赤字を見込んでいる。以前は米貿易収支の発表で相場が乱高下していたが、最近ではその影響力が見られない。ただ重要な経済指標の一つであることに間違いはない。

英3月雇用統計
2月の失業保険申請件数は前月比1万200人の減少で2009年2月以来の低水準となった。昨年12月の寒波による影響から英国の景気が改善しつつある兆候と受け止められた。ただ、今回のような強い結果が今後も続くと思われない。
3月の失業保険申請件数は3000人の減少、失業率は4.5%と見込んでいる。
今回の結果はイングランド銀行(BOE)の早期利上げ期待に影響を与えることから、注目度は高い。

米3月小売売上高
基本的に、前月比で増加すると個人消費は堅調、減少すると個人消費が落ち込んでいると判断される。原油高に伴うガソリン価格の上昇が押し上げ要因で増加する見込みである。市場予想では3月の小売売上高は0.5%、一方、自動車を除く小売売上高は0.7%と高めの伸びを維持すると見込まれる。

米3月消費者物価指数(CPI)
米国の2月CPIでは前月比0.5%と1年半ぶりの大幅な伸びとなった。食品やエネルギー価格の上昇が全体を押し上げている。2月の前年比でも昨年11月以降緩やかな上昇傾向を示している。3月も燃料価格の高騰と、米国経済の回復がCPIを押し上げると見ている。
同指数は米国の政策金利に影響を与え、一般的に心地よいと言われているインフレ率は前年比コアが1.0%~2.0%の水準である。

  • 3月CPI前月比=予想0.5%、前回0.5%
  • 3月CPIコア(エネルギー・食品を除く)前月比=予想0.2%、前回0.2%
  • 3月CPI前年比=予想2.6%、前回2.1%
  • 3月CPIコア(エネルギー・食品を除く)前年比=予想1.2%、前回1.1%

米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数
3月のニューヨーク連銀管轄地区の製造業活動は、17.50と過去9ヶ月間で最大の拡大を示した。項目別では雇用や仕入・販売価格が上昇して景況指数を引っ張った。これまで米雇用統計など改善傾向を示しているため、引き続き強い結果を見込んでいる。4月の市場予想は17.00である。
尚、同指数はゼロが製造業活動の拡大と縮小の境目を示す。

米3月鉱工業生産
米国の鉱工業生産では、12月~2月まで上方修正されたており基調としては弱くない。米経済は住宅関連など弱い部分も残るが、引き続き成長力を維持している状況がうかがえる。同月の雇用統計で、製造業の総労働投入時間(生産労働者を対象とするもの)が前月比0.6%増加したことが予想の根拠。
3月の鉱工業生産は0.6%増加の見込みとなる。

米4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)
3月は67.5と16カ月ぶりの水準まで下落した。消費者はガソリンや食品の値上がりを懸念しており、以前のように他の買い物にまでお金を回す余裕がない。
原油価格も1バレル=100ドルを突破し、消費者マインドを引き続き圧迫している。
一方で雇用情勢の改善が下支え要因になっている模様。改善は小幅と見られ、4月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は69.0と見込まれている。

Written on 6月 4th, 2011 , 金融・経済 Tags:

米4月新築住宅販売件数
米国の4月新築住宅販売件数は30万件の予想となる。住宅購入者税制優遇措置失効後の新築住宅需要は依然弱く、わずかな改善が見られる中古住宅とは対照的に新規住宅の需要は未だに低迷している。住宅差し押さえは高水準で、住宅市場の本格的な回復にはまだ至っていないとみられる。
また、5月にかけてミシシッピ川流域での洪水が継続しており、住宅市場に影響を与える可能性がある。

英第1四半期(1~3月期)GDP・改定値
1~3月期の英GDP・改定値は前期比で+0.5%を予想する。年末の悪天候の影響が、年初にも響いた可能性はある。イングランド銀行(BOE)の利上げ開始時期予想が後退している。キングBOE総裁はインフレ率の高まりよりも、景気回復を優先させるとの考え。ただ、今後の英経済指標の善し悪しによって利上げ時期予想も変動し、英ポンドの見通しに影響を与えるために、今回の発表も重要である。

米4月耐久財受注
米国の4月耐久財受注は前月比2.5%減を予想する。民間航空機の減少と自動車産業でのサプライチェーンの途絶という2つの特殊要因が下押し要因になったとみられる。また、振れの大きい輸送用機器を除いた場合では、前月比0.5%増を予想する。

米第1四半期(1~3月期)GDP・改定値
1~3月期のGDP成長率は、速報値の前期比+1.8%から+2.2%に上方修正を予想する。在庫投資(+0.9%から+1.1%へ)や純輸出(-0.1%から±0.0%へ)が上方修正されていることが寄与していると思われる。

米5月ミシガン大学消費者信頼感指数・確定値
米国の5月ミシガン大学消費者信頼感指数・確定値では、速報値72.4と変わらず3カ月ぶりの高値圏となり、4月確定値の69.8より上昇すると予想する。
原油価格の下落を背景とするガソリン価格の安定化が、プラスに作用した可能性がある。

Written on 6月 4th, 2011 , 金融・経済 Tags:

東日本大震災などの影響もあり日本経済は低迷しているものの、新興国が牽引役となり世界経済は回復基調を保ち、企業収益は復調している。だが、日米独の長期金利は低下傾向が続いており、投資マネーは安全資産を目指しているように思われる。債券市場では、投資マネーの流入で買われ価格が上昇すると、利回りが低下することになる。

米国の企業業績は予想以上に堅調で、ダウ工業株30種(NYダウ平均)は高値圏での取引が続いているが、不安定さが残り一進一退が続いている。欧米の景気は比較的堅調で金利上昇を招きやすいが、マネーは安全資産の国債に向かっていると思われる。背景には、最近の欧米の経済指標で良し悪し入り交じり、景気回復の先行きに懸念が出始めていることにある。米国の4月雇用統計で雇用者数は予想を上回ったが、失業者は9.0%と依然として高水準である。また新築・中古住宅件数は落ち込み、住宅市場にも二番底への懸念がある。米連邦公開市場委員会(FOMC)は量的緩和第2弾(QE2)の6月終了を決めたが、これまで買い取った国債保有残高は維持する方針で、このことが国債売り圧力を弱めている。欧州でもギリシャ債務問題の進展が見られず、欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は6月の利上げ示唆を見送った。

また、日米独の長期金利が、4月中旬を境に低下傾向に転じた。米10年物国債利回りは3.5%台から3.1%台に低下し、欧州国債の指標であるドイツ10年債物利回りも3.4%台から3.0%台に低下している。日本10年物国債でも4月11日に1.335%だった利回りが、今月12日には1.110%と昨年12月以来の水準となった。まず背景には、商品相場の急落の影響もあった。取引所を運営するシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループが証拠金を引き上げたことによるもので、銀先物は4月下旬に31年ぶりの高値を付けたが、5月に入り急落し、第1週だけでも25%下落を記録した。銀先物の影響は原油や金などにも波及し、原油先物も5月初旬から10%前後の下落となった。先週末にも、独連銀は国内経済成長が今後数ヵ月で鈍化する見通しを示したことや、格付け会社フィッチが、ギリシャの長期外貨・自国通貨建て発行体デフォルト格付けを「B+」と、従来の「BB+」から3段階引き下げたほか、ベルギーの「AA+」格付け見通しを「ネガティブ」に引き下げ、格付け会社S&Pも、イタリア格付け見通し引き下げたことでドイツ10年債利回りが一段の低下を見せている。行き場を失った投資マネーは、安全資産の国債に逃げ込んだ可能性が高い。

日本でも東日本大震災の発生当初は、復興の為に国債が増発されて金利が上昇すると見込まれていたが、2011年度第1次補正予算では国債の増発はなく、財政悪化懸念は目先弱まった。日本景気の本格的な回復には時間がかかるとの見方も、国債が買われる要因となった。今後も商品価格の下落が続けば、金利は一段と低下する可能性があり、また2011年の第2次補正予算の成立の遅れが、日本経済の回復を遅らせる可能性がある。日本10年物国債の利回りは、上昇しても1.3%台の低位で推移するとの見方がある。

さらに、中東情勢の不安定や国際テロ組織アルカイダのウサマ・ビンラディン容疑者が殺害され報復テロのリスクがあり、当面は国債を売る材料は見つけにくい。目先はリスク資産を避ける「質への逃避」を中心とした動きになると思われる。ただ為替相場への影響は、ドイツ債や米国債の利回りの縮小・拡大がユーロや米ドルの短期的な方向性を決めると思われる。

今週は米国の2年(火曜)、5年(水曜)、7年(木曜)債の入札が予定されている。入札が低調となった場合、債券利回りは上昇しUSD/JPYは買い圧力が増すが、入札が好調となった場合、債券利回りは低下して売り圧力が増すことになる。米10年債金利が3.0%を目指して低下する展開となれば、USD/JPYは再び1ドル=80円を割り込み、今月5日につけた直近の安値79円57銭を更新する可能性もあるとみる。また週末の5月26-27日にフランスで開催されるG8サミットで、日本の原発問題や欧州の債務問題が協議されると予想される。リスク回避の円買いに繋がる可能性があるため、円高要因として要注意である。

Written on 6月 4th, 2011 , 金融・経済 Tags:

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